サブプライム・レポート

紙の値段が高騰している。ボクは単純に原油高が原因だ、と思っていたが違った。サブプライム問題に代表されるアメリカの住宅金融の経営破綻によってアメリカなどで住宅の買い控えが進み、アメリカやカナダで住宅用木材を伐採しなくなったからなのだ。何で家が建たないと紙の値段が上がるのか。
よく勘違いされるんだけどパルプの原材料であるチップは木を伐採して作られるのではなく、住宅用木材の端材や間伐材を利用して作られる割りとエコな原材料だ。アメリカやカナダで採れる針葉樹のチップはパルプの代表的な原料だ。つまり家を建てないとチップは採れない。チップ採れないんだからパルプの値段が上がる。さらに原料が高騰する上に原油高が追い討ちをかける。よってパルプから作られる紙の値段が上がるって訳。
これは本のデザインをしているボクたちと直結する問題だ。紙で出来ている本のコストに直接降り掛かってくるので、自由に紙の種類を選べなくなるし、場合によっては本の単価をキープするために、版元はデザインを含めた制作費をダウンしていかなくてはならないからだ。
で、こんな話を誰としたかというと、この前の金曜日の事務所旅行で工場見学させてもらった特種製紙さんで製品の企画開発をされておられる、大学時代ボクの下宿に住みつき、貴重な六畳間を ナナメに寝て占領し続けた男*1hideである。
「やべぇ、レポート書いてねぇ」と提出日の朝になってもウチで寝てた男とこうしてお互いに仕事の話をするとは隔世の感無量であるアルよ。で、サブプライムはいいけど、あんときのレポート大丈夫だったのかhideよ。

*1:id:otoshimono:20080603、id:otoshimono:20080313