知る人ぞ知る天空神殿、鷹取山の磨崖仏へ

鷹取山公園・・・横須賀の小高い団地の上にある、一見なんのヘンテツもない公園ですが、実に驚くべき秘境に、今回otoshimono探検隊(っても一人。emixは興味がないので近所のスーパーで待機)は潜入に成功したのであります。

公園までのアプローチは緩やかな坂道。っても団地がすでに高台なので、この地点でもけっこう見晴らしがいいんです。犬の散歩をする近所の人が前を歩いてます。ホントに秘境なのか?

公園につきました。眼下に広大な団地を見下ろしますが、向こうにはベイブリッジなど横浜の市街地も見え、とても気持ちのいいところです。

が振り返ると

何だここは! いきなり市の公園とは思えない異空間が広がります。

まるで古代遺跡ですが、実はここは明治から昭和初期にかけての石材の採掘場でした。鷹取石として有名だったそうです。ここはその入口ということです。

山道を進みます。ちょうどお彼岸の季節です曼珠沙華が綺麗です。

随分歩きます。やがて茂みの向こうに何やら巨大な顔が

これが、あの、もしや!

出た! 日本のバーミヤンと異名をとる鷹取山の磨崖仏!

デカイ!

この弥勒菩薩は立て看板によると逗子市在住の川口満さんという方が横須賀在住の彫刻家である藤島茂さんに依頼して昭和40年頃に制作されたものとの事。出来てまだ50年も経ってないのですが、すっかり古代遺跡の貫禄です。地元ゲリラの銃弾によりあいたような無数の穴は、登山(ロッククライミング)練習のために打ち込まれたハーケンの跡だそうです(現在は市の許可なく勝手に敷地内で練習することは禁じられてますのでご注意)。
美術的価値がどの程度のものか知りませんが、日本離れした表情といい、造形といい、非常に惹かれるものがあります。東南アジアのどこかの国へでも来たのかという気分。

さらに磨崖仏の崖の向こうにも続きがあるようです。

とても神秘的な立ち木。

見上げるとそこには天空の城ラピュタのような風景が。あの呪文だけは叫ばないように。

この切り立った崖はまさに採掘場の跡ですが、神殿の内部にも見えます。想像力をかき立てられます。

展望台もあります。まるでパズーがグライダーとともに辿り着いた場所のようです。

ここは本当に横須賀市が管理する団地の公園なのでしょうか? もはや日本でさえない様に見えます。
駐車場もないので地元の人ぐらいしか楽しめないあたりが、知る人ぞ知る感を強めているのだと思います。時折特撮モノの撮影にも使われるらしいのですが、頷ける話です。このまま地元の秘境であり続けて欲しいものです。でもボクはきっと、また来ます。
鷹取山公園