責任

《責任がある》ということは《自分の思い通りにしてもいい部分がある》ということです。これはどんなに小さい事でもエキサイティングです。そこに自分の存在価値があるからです。
よく仕事で責任逃れをする人がいますが、これは自分の自由度を放棄しているという事です。受身ですから何でも後ろに引き摺られ、良い結果で次の仕事に続く訳ないし、その人への信頼感も下がります。それは当人も気付かないぐらいジワジワとです。こうして失われていく信頼感はちょっとくらいの努力では回復出来ません。
デザイナーという仕事からすれば、責任逃れという行為は致命傷です。我々は目に見える仕事をしていますが、デザイナーに本当に求められているのは、そこに辿り着くまでの目に見えないアイデアとコミュニケーションだからです。つまり『責任を持って相手(クライアント)の思いを視覚化する仕事』です。
「材料が揃っていれば出来ます」「スケジュールをしっかり組んで頂ければ出来ます」「予算があれば出来ます」それが出来てれば、わざわざデザイナーなんぞに頼みに来ません。「無い物を作る」のが仕事ですから。ボクはクリエイターという言葉が大嫌いですが、責任というのはクリエイティブな行為だと思うし、それこそがデザインの醍醐味だと思います。