一期一会

今日は晩秋に来日する指揮者とオーケストラの公演フライヤのラフ案を制作しておりました。こういう未来を予測するような仕事は大変不思議な仕事です。ある意味一期一会なのですが、アーティストに心地よく裏切られる事もあります。
例えば昨年の内田光子さんとヴィヴィアン・ハーグナーさんのデュオ・コンサートの仕事。この取り合わせ自体も未だ一期一会。二人とも旬なお二人。さらに内田さんの方がキャリアもあるのだから、ハーグナーさんはフワリと弾きながらも内田さんのピアノに負けまいと頑張るでしょう。女対照的な雰囲気の写真を使いながらもピリッと背筋を伸ばしたデザインでTOCの広報部ともまとまりました。

ところが当日、演奏が始まってびっくり。自由奔放で変幻自在なハーグナーさんのヴァイオリンを終始、母のように包み込むように内田さんのピアノがサポートしているではありませんか。なんと暖かいコンサートなのでしょう。
「リハ聴いて、あ、違ったかもって思ったもん(笑)」とは担当者の弁。
とはいえ、こんなに嬉しい裏切りはありません。
未来なんてやっぱり予測出来ないけど、アレコレ考えながらデザインするのは楽しいものです。