仕込み開始。

夕刻からマネジメントをしているオリパパ・ミュージック・フレンズの今後の公演計画についてのミーティングと、今春のコンサートのデザイン打ち合わせが立て続けにありました。昨年から進めている他の公演も本格化してくることもあり、いよいよエンジン全開です。
我々がプロフェッショナル公演に関わる場合、企画段階から公演そのもののマネジメントを請負う場合と、デザインのみ御請けする場合があります。マネジメントの場合は当たり前なのですが、デザインのみお請けする場合も、可能な限りアーティストさんと直接対話をしながら進めていきます。
これは音楽という商品のパッケージデザインをする者として、シェフ(アーティスト)のひととなりや紡ぎ出す料理(音楽)を理解しておかなければ、自信をもってお客さんにお届けすることが出来ないと考えるからです。
アーティストさんが海外在住だったり超多忙でお会いする機会が得られない場合は、マネジメントや広報担当者さんと綿密に打ち合わせを重ねていきます。
音楽公演という商品のパッケージデザインの変わっている所は、パッケージ(フライヤ)が先に出来て、商品は当日にお客さんの前で出来上がるという点です。つまりパッケージする側もされる側も「多分、こんな味になりますよ」という予想でしか商品情報をお出し出来ないというところなのです。そして終演後は商品は心の中にのみ残り、跡形もなくなってしまいます。残るのは当日パンフレットとチケットの切れ端のみなのです。パッケージのみを見て判断して商品を買い、味わうと身体の栄養になるけど目の前から消え、残るのは商品の蘊蓄が書いてあるパッケージのみという点では、レトルトカレーなどととてもよく似ています。
さらに、音楽公演というのは生演奏ですからどんなに一流アーティストでも(その方なりの)出来不出来がどうしてもあります。なので[絶対美味い]という太鼓判を押す事が出来ません。そのかわり、その(出来不出来さえ含めた)一期一会のパフォーマンスへの期待感《わくわく感》を誘うことは出来ますし、それはボクたち自ら持ち合わせていなくては表現出来ません。
有り難い事に、ボクたちが出会ってきたアーティストさんたちはどなたも素晴らしい表現者であり、今も日本に限らず世界のどこかで人々を音楽で魅了し続けておられます。今年も新たな出会いを期待し、アーティストの方々をデザインやマネジメントでお支えし、皆さんの心に温かく残る音楽商品の制作に努めていこうと思っております。