麻痺丼


五反田の出版社で打ち合わせの後、emixが「ウマい麻婆丼屋があるって聞いたから行こうゼ」と言うのでテコテコついていくと東口の歩道橋を渡ったビルの下にある陳麻家というカウンターが少ししかない店についた。席が少ししかないし満員だったのでちょっと待ち、座るなりスタンダードな四川麻婆豆腐丼(陳麻飯)を頼んだ。
一口めはなんともなかったのだが、ある程度進んできて水を口にした辺りから「アレ、水ッてこんな味だったっけ?」で、飯に口を戻すと「アレ、今オレって何を食べてるんだっけ?」となり、交互に口に入れる度に脳内の混乱は酷くなる。辛いのか何なのかも判断が出来ず朦朧としてきたところで完食した。店を出たばかりの頃は完全に舌が麻痺してて、駅で速攻でJAVA TEAとキャラメルを買い、クールダウンに入ったのだが、口が完全に戻ったのは帰宅して暫くなので軽く1時間はヘンテコな感じだった。ある意味マジックフルーツを越えた味覚麻痺を作り上げた。後から知ったのだが、あの感覚は大量に入れられている花椒のせいらしい。
ウマいのかウマくないのかも判断が出来ないという物凄い体験をした。
但しこの料理、胃への負担は全くない。ただ、あまりにも脳内が混乱して駅ビルの成城石井で買ったジャムをどこに置きっぱなしにしたのか分からなくなり、いつもならemixにコッピドク叱られるところを「仕方ないね」と言わしめた麻痺丼っぷりには敬服である。

本日デザインの師匠の告別式でしたが、気持ちなどの整理がついた頃につらつらと書きたいと思います。