ここ数年で一番アメージングな夕暮れ

夕刻、打ち合わせが一段落して、乃木神社の横にある公園のベンチで一生懸命メールチェックをしていると、アメリカ人かイギリス人と思われる女の子が近付いてきて「Do you like music ? Ongaku ? 」って聞いてきた。QueenのCDを取り出して「Queen... Do you know ?」(以下、聞き取れた英語だけ書きます)
僕「うん、知ってますよ。(日本語)」
そしたら隣にピョコンと腰掛けて「Björk ?」
僕「うん知ってる(日本語)」
彼女「I'm Singer song writer. What music do you like? 」
僕「う〜ん、クラシックかなぁ(日本語)」
彼女(むむむ、困ったなぁという顔)
僕「でも、Queenも好きですよ」
彼女「(気を取り直して)Green Pants & Green tea !」
(僕は今日、ライトグリーンのパンツを履いてて、日本茶のペットボトルを持っていたんです)
僕「今気がついた、同じ色だね」
彼女「Do you like green ?」(なんか、ウケてる)
僕「うん、ミドリ、好きだね」(なんでウケてるんだろ)
彼女「Purple ?」
僕「うん、紫も好き・・・」
彼女(目の前の生け垣にいる雀を見て)「... small bird... huhu, chichichi...」(鳴きまねをする)
(ここから聞き取れた意訳を日本語で書きます)
彼女「(鳥って楽しそうに鳴くけど言葉じゃないわ、だから歌じゃない。でも、人には言葉があるの。言葉を乗せると歌になる。だから、私のバンドの名前はエス・エー・ワイ・・・) 」
僕・彼女「say」
彼女「(そう、日本語で「ハナス」よ)」(なんだか楽しそう)
  「(ええと、私の好きなアーティストは・・・you tube 見られる?)」
僕「あぁ、これで見られるよ」(iPadを差し出す)
彼女(キーボードを叩く)「(えぇと、d,a,v,i,d, b,o,w,i,e...)」
僕「デビッド・ボウイ?」
彼女「(そう、彼の最新のMVが見たいの。)」
そういう訳で、何故か夏の夕暮れの乃木神社の公園で初めて会ったばかりの英語圏の女の子と二人っきりでDavid Bowieの「The Next Day」を観るというとても奇妙な体験が始まった。

彼女「(このビデオ過激過ぎて一時公開禁止だったの。ふふふ、彼って今66歳なのよ。信じられる?)」
僕「66なの?」
彼女「(そう66。わぁ、血が出てる! やっぱり過激よね、フフフッ)」
確かに宗教的なタヴーを次々と繰り出すポップな映像。麻生さんのナチス問題も真っ青だ*1。彼女はとても楽しそうにyou tubeに見入っている。そして最後にゴーンという音と共にデビッド・ボウイが消えると大ウケした。
彼女「(あぁ、面白かった。ねぇ、場所変えない?)」
うーん、初対面の女の子、しかも英語圏の子に誘われるというのはとても光栄至極なのですが・・・
僕「えぇと、ね。僕、メール打ってたでしょ?」
彼女「えぇ」
僕「仕事の途中だったんだよ。とても楽しいんだけど、次に行かなきゃいけないところもあるし・・・」
そう・・・割とクライアントとのやり取りで切迫してたんです。
彼女(僕がここでメールと格闘していた事情がやっと読み込めたみたい)「(あっ、そうっだったわよね。邪魔してごめんなさい)」
僕「こちらこそごめんね、でもとても楽しかった」
彼女「(じゃぁ、わたし、帰るわね。ありがとう。楽しかった)」
僕「僕も面白かったよ(これはマジで)」
 
そしてなんと、僕は今回、彼女とのやりとりを殆ど日本語で通してしまった。下手な発音の英語よりゼスチャーをくわえた日本語の方が断然伝わると思ったから。幸い彼女は日本語をしゃべるのは苦手そうだったが、聞くことはある程度できた。・・・僕はというと、多分彼女の言ってたことの半分くらいしか理解してないかもしれない。お兄さんのことや自分のバックボーンについて話してたんだけど、殆ど聞き取れなかった。でも相手は殆ど英語,僕も殆ど日本語で会話が成立してしまった。コミュニケーションは根性である。
 
で・・・最大の汚点は・・・
 
 
 
 
名前聞いときゃよかったーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!

*1:これについては僕は麻生さんではなく皆に言いたい事があるのだが、また後日