プーランクの夕べ


デザインを担当させていただいた「プーランクの夕べ」を聴きに東京オペラシティへ。
日本が誇る若きヴィルトゥオーゾたちの競演という意味でも大変楽しめましたが、後半ステージの鈴木雅明・優人の父子競演による《オルガン協奏曲》、それからメインプログラムとも言える《スターバト・マーテル》がトリワケ良かったです。
元々の、でもありますが、このデザインを任せて頂いたときに資料としてプログラミングに沿った録音をお借りして一通り聴いた際も、プーランクの音楽は「賢くて洒脱」という印象を持っていましたが、実際の演奏を目の前にすると、それとは全く違う、繊細さの中にある線の太いパッションが立ち現れ、大変感銘を受けました。
こういう一人の作家の様々なスタイルを聴かせるプログラミングってコンサートとしてはなかなか珍しいです。ソロ作品から室内楽〜オーケストラを一気に生演奏で俯瞰すると、目や音場として作家性を認識出来ます。
プーランク作品への観点の偏りが払拭された一夜でした。