嫉妬しながら読んでいます。

工作舎物語 眠りたくなかった時代

工作舎物語 眠りたくなかった時代

1995年、大学卒業直前に入社する筈の製版会社が潰れ、泣く泣く師匠のデザイン事務所に拾ってもらって以来、本当に右も左も判らないままこの世界に入ったボクにとって、余りにも近い様で遠い世界、それが工作舎とその周辺だったと思います。その後、その工作舎から転職してきたデザイナーは今でもボクの大切な友人の一人だけど、才能というか、仕事っぷりというか、その立ち振る舞いまで、今でも羨望と嫉妬の対象でもあります。
ボクにないのは、そのデザインそのものに直球で向かって行く佇まいと才気と道程です。学校はおろか部活動でさえも一度も美術やデザインを学ばなかったボクが、今こうやってデザインの仕事を20年も続けていること自体が信じられなくもありますが、悔やんでいる点でもあります。
そんな気持ちの中でこの本を読むと、知りたいけど知りたくなかった世界というか、羨望しながら嫉妬する、友人への気持ちと似た思いが交錯します。