過信は後悔の元

ここ最近、複数の版元で、予算が少ないためか時間がためか理由は不明なのですが、色校正(印刷所の確認用の試し刷りのこと)をデザイナー(ボク)に見せる工程を端折ったばかりに、誰もミスに気付かずに印刷・製本まで行ってしまい、見本が届いてからのボクの指摘でミスが発覚する事故が相次ぎました。
どのケースもボクがデザインデータを担当編集の方に渡して以降の後処理で起こったミスでしたが、気になるのは担当編集の方がいずれも新人君ではなくベテランであることと、ボクが印刷用データと共に付けておいた出力見本が後処理の確認に活かされなかったことです。
原因はベテランならではの過信。「デザイナーやオペレーターと散々やりとりしたんだから色校正は間違いないだろう」「DTPはそのまま刷られてくるからデザイナーに見せなくても一緒だろう」・・・こういう過信がもう事故の始まりであることは、自動車教習所でも習いますよね。
いずれの場合も刷り直しや回収という事態には至らなかったものの、ベストではない状態の商品が出回ってしまうことは残念です。
ケースバイケースで止むを得ず工程を入れ替えたり飛ばしたりすることはどの業界でもあることですが、そういう場合こそ、工程管理をする人は慎重に事を進めねばなりません。過信と個人的な経験則は表裏一体なので。
自戒の念も込めて。