炭坑節


こういう音楽を聴くとソモソモベキベシ原論なんかどうでもよくなってしまう。ローカルとローカルが出会うことで複雑な変容と豊饒さを増していくところが文化境界面の面白さなんだよなぁ。
創業以来継ぎ足して使ってる老舗鰻屋の秘伝のタレだって1ヶ月くらいで中身がすっかり入れ替わっちゃうんだもんね(平林 純著『史上最強科学のムダ知識』技術評論社刊・参照)。伝統を守るってことは新しい風を入れ続けて絶えず変化し続ける(バージョンアップする)ってことなんだねぇ。
で、この音楽、イスラエル出身のアラブ・アフロ・ファンクなんだからセファルディやレゲエっぽさがあるのはもちろん、バルカン半島や沖縄の音楽の響きまで纏ってしまうところが本当に愉快。
 
あと、これはこの投稿にはあんまり関係ないんだけど、文化って誤解や間違いや勘違いやパクリから新たに生まれるモノって結構あって、そういうのがあったからカステラだってトルコ行進曲だって印象派の巨匠だってクリスマスにフライドチキン食べる習慣だって生まれた訳で、何でもかんでもノープロブレムよとまでは言わんけど、ぱっとみNGっぽいって印象だけで、寄ってたかってヤンヤ言って叩き潰すのがエライみたいな世相もどうかと思いますよ。だいたい疲れるでしょ、そういうの。