おお ますみ よ、しんでしまうとはなにごとだ!

f:id:otoshimono:20190224101948j:plain

 ボクのバストロンボーンの兄貴分である瀧本真澄さんの告別式に参列して参りました。あまりにも突然の出来事で何よりご本人が驚いていると思います。
 瀧本さんは国民的ゲームソフト「ドラゴンクエスト III/IV/V」のプログラミングスタッフとして制作に参加され、特にIVではサウンドプログラミングをご担当されました。つまりあのゲームで聴いた音楽は瀧本さんの手腕で皆さんに届けられた音なのです。
 式が始まる前に棺の中の瀧本さんにお会いしましたが、熟睡しているようにしか見えず、全く実感が湧かないのです。
 氏はプログラマー・講師としてのお仕事と並行して、吹奏楽団の指揮指導やアマチュア・バストロンボーンプレイヤーとしてプロアマ問わず多くの音楽家と交流がありました。ボクとはTrio Sync.のコンサートの打ち上げで知り合い、その後はミュージックキャンプに一緒に出かけたり、バストロンボーンのイベントを開催したり、また2020年のInternational Trombone Festival Japan ではWEB & DESIGNセクションとしてお仕事をご一緒していたところでした。
 
 告別式自体では瀧本さんが愛した吹奏楽曲が流れ、まさに吹奏楽で氏をお送りする会という趣きでしたが、式の前後では「ドラゴンクエスト」の音楽が、瀧本さんがプログラムしたゲーム音で式場に流れており、まさにリアル版「おお ますみ よ、しんでしまうとはなにごとだ!」の場面になっておりました。
 また、出棺の折に棺を入れる台車もまるでゲームに出てくる宝箱のような形。
 これはもはや、瀧本さんの仕掛けた超一流の冗談にさえ思えてくるのです。
 
 多分、瀧本さんはちょっと疲れたのでゲームを中断して少しばかり休憩することにしたのでしょう。時期が来たらゲームを再開するつもりなのだと思います。
 なので戻ってきたらまず、復活するために仲間と贈った生花代(ゴールド)を返してもらおうかとボンヤリ考えながら、まずは、お見送りしました。
 
安らかに。