H.フィルモア作品とブラックフェイス問題

トロンボーン奏者のダグラス・ヨーは、H.フィルモアの『トロンボーン・ファミリー』の音楽(演奏と楽譜とアートワークを利用した商法)は人種差別を継続・拡張させるものだから封印した方が良いという主張をしていて、アメリカという国家と文化の歴史成立の深い闇を感じる(英語です。翻訳機能を使ってもわりかしちゃんと読めます)。

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ダグラス・ヨーさんのブログの中でも語られる「ミンストレル・ショー」については日本音楽史も無関係ではなく、ペリーが浦賀に来航してきた際に同乗してい楽団のメンバーが当時の日本でミンスレル・ショーを演じています。つまり日本の西洋音楽受容史の端緒に関わりがある。

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そして本論とはあまり関係ないですが、ミンストレル・ショーのイメージはアメリカでのアニメーションの黎明期の描写に密接に関わっています。ミッキーマウスもフェリックス・ザ・キャットもモノクロとはいえ、全体的に黒っぽいキャラクターとして描かれ、当時のダンス音楽に乗って歌い踊りドタバタ喜劇を演じるそれはミンストレル・ショーそのものです。日本人にはピンとこないですが、ミッキーマウス自体もブラックフェイス問題とは無関係とはいえない訳で、アメリカ文化の象徴でありながら闇を抱えているというダブルスタンダードな状態というわけです。

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