“壊れそう”っていう感覚

otoshimono2006-01-29

呑気症事件から一夜明け、今日は色々用事があって東京に出ました。

Pas de Chatsのインスト

YAMAHA銀座でPas de Chats(id:otoshimono:20051212)のインストアライブがありました。前々から行くつもりでしたが、ピアノの小柳さんからも頑張るぞとのお便りを頂いたので、張り切ってお伺いさせてもらいました。Pas de Chatsの甘く切なくかわいらしい音の世界が流れると、昼下がりの銀座の歩行者天国がホッコリと温まりました。トークで小柳さんからデザイン制作時のエピソードなども語られ、少し恥ずかしくも嬉しかったです。
 

スーツケースを会社に置きに行く

明日は編集のueくんの車で成田に向かうので、スーツケースを麹町の会社に置きに行きました。朝のラッシュ時に運ぶのは、かなり困難ですからね。日曜日だというのに沢山の人が出勤してて、ハワイに出かける前から時差ボケになったかと思いました。
 

劇団K-SHOWの公演を見に行く

大学の後輩のutchyが所属する劇団K-SHOWの第4回公演「きみとぼくの声」を西新宿に観に行きました。夏のハーフシアターを入れて3回目の観劇です。時間や空間が重層的に組み合わさる不思議なバランス感覚の中にメッセージを盛り込む手法は座長であり脚本(こだましょうた名義)も手掛ける伊藤健太郎*1さんの得意とするところ。今回は劇中劇中劇?的な要素が面白く、上演前のあいさつからK-SHOWそのものなのか、劇中の劇団のことなのか分からなくなっちゃうところなんかとてもスリリングでした。だって、「本公演が残念ながら当劇団の最後の公演となります」なんて涙声で伊藤さん(実は今回は劇団の座長の役!!)が言うもんだからビックリしちゃうでしょ。
今回もスゴく良かった。utchyお疲れさま。
 

移動中のFMラジオで

ユーミンの番組の今日のゲストは椎名林檎さんでした。のっけから彼女の音楽についての濃いトークをユーミンが繰り広げ、やはりユーミンはわかってるなぁ、と感心しました。ボクもemixも林檎さんの音楽は別格だと思っています。ユーミンと林檎さんの会話は、年齢の差があるからこそ仲良くなれる、あの独特な感じです。その中で二人の話題にのぼっていたのが「こわれそうな感覚」という話。そこが音楽をする上で大事だ、みたいな話をしてました。
これ以上いくと狂っちゃうギリギリの線。表現っていうのはこの細い線の上でやじろべえの如くフラフラしながら行ったり来たりすることなんだとボクは思います。よく須川さんが「破綻しちゃってもいいんだ」っていう感覚。でも実際はぶっこわれないんです。感情の破綻を技術で補ったり、技術の破綻を感情で補うから、表現自体は絶妙のバランスでオーディエンスに届く。
Pas de Chatsの透き通るような表現もそう、K-SHOWの作り出す空間もそう。「こわれそう」だから表現ってのは力強くもあり、耽美であるのでしょう。
 
とても勉強になる一日でした。
写真は林檎さんと言えば、の新宿の夕暮れ風景。超高層建築の手前がオンボロビルや荒れ地だったりするのが、西口の面白いところ。活動的な未来と全く無視された空間に人が死んでても誰もなんとも思わない過去が交錯する感覚。虚無と現実が同居する不思議な街です。

*1:ハム太郎のタイショーくんの声の人だよ!