その祭を初めて目撃したのは小学5年生の時、場所は映画館でした。
諸事情により仲間に取り残されな哀れな宇宙人の植物学者が、仲間の宇宙船に救援信号を送る計画を、友人となった人間の子供と立てた。
ところが甲羅のない亀のような容姿は地球では目立ってしまって出歩けない。そこで選んだのが人間の奇妙な仮装祭「ハロウィン」だった。
地球の幽霊の格好をし、人間の子供に連れ出された外の世界。・・・人間とは実にキテレツな事をする生き物だ。しかもその祭の内容たるや「お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ」とは全く道理に合わない言い草だ。大人も子供も妙な衣装を纏って適当に出歩いている。中には我らが宇宙人の仲間にソックリな者もいる*1ではないか・・・。
もうお気づきかと思いますが、これスティーブン・スピルバーグの名作『E.T.』の一場面です。ハロウィンなる珍妙な祭りを初めて目にした小5のボクには全く実感がわかず、同じくトムとジェリーで観たイースター・エッグと共に「アメリカの謎の風習」として記憶にとどめることになります。
その後、ピーナッツ*2のライナスが信奉する「カボチャ大王」、リターン・トゥ・オズのジャック・ザ・パンプキンヘッド、ティム・バートンのナイトメアー・ビフォア・クリスマス [DVD]などを観て、大体のアウトラインはつかめました。勿論今でもピンと来ませんが、つまりハロウィンは「お盆+逆なまはげ」ということですよね。
で、ボクがこの映画でもっとも驚いたのは、最新のSFXやE.T.の造形でなく、当時の日本には無かったアメリカの生活週間やモノでした。
宅配ピザ、D&D*3、M&M'sのチョコ、スターウォーズのキャラのフィギュア、言語学習用のマイコン内蔵玩具、ケーブルテレビ、ハロウィン祭、フード付きパーカー、仮装グッズ、MTB、広大な新興住宅地・・・そして、いろんなモノやコトに溢れているのに、何処かしら疲れた雰囲気・・・
どれもこれも25年後の日本では当たり前の風景です。
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