密度

東フィルioriくんのお誘いで高関健さんのブラームス・ツィクルス2日めへ。場所はオーチャードホール。交響曲1&3番です。
恥ずかしながらボク、プロオケでブラームス聴くの初めてでした*1
高関さんの指揮はテンポ設定もキビキビしており、各声部やアンサンブルが明確に聴こえてくる、派手ではないけど小気味よい演奏でした。楽器の配置は「古典配置」を指定されるので有名な方らしいのですが、ステレオ効果的な掛け合いなどが浮き立ち、かえって現代的な響きがします。こういう演奏は好感が持てます。
ところで、アマチュアの楽団はオケでも吹奏楽でも合唱でも、どんなに上手くてもこうはいきません。アマチュアは技量も経験値もプロフェッショナルの楽団より浅いため、表現の幅というより密度がないんです。とても簡単に言うと、2度単位でしか調節できないエアコンと、0.5度単位で微調整できるエアコンみたいなもんです。
だからアマチュアの楽団では、指揮者は演奏者に大げさな表現を求めます。大げさにしないとタダの棒読み演奏になるからです。アマチュアのコンテストなどでよく評価される「メリハリのある演奏」「スピード感のある演奏」「派手な演奏」は、裏を返せば「いかにもアマチュアっぽい演奏」ということになります。駄目だ、というわけではありませんが、もっと志は高くなくてはよりイイ演奏はできないと思うのです。
ボクらのようなアマチュア演奏家は、アマチュアであろうがプロであろうが、演奏会に頻繁に足を運ぶのはとても好ましいことだと思います。ただ、アマチュアの演奏会ばかり行っていると、この「微妙な温度調節」についての勘が、タダでさえ少ないのに全く無くなってしまいます。機会があるのなら、みなさんもプロフェッショナルの演奏をどんどん聴いて、まずはイメージとして「表現の密度」を上げることを考えてみると、それだけでも次の演奏がとてもよくなる、とボクは考えます。
帰りの渋谷YAMAHAでRocheのメロディアス・エチュードを購入。今まで持ってなかったのも恥ずかしいのですが、初心に帰ってこれからはコツコツさらおうと思います。密度、密度です。密度を上げないと。こちらは半分以上、村田さん*2たち4 Bone Linesの影響なのですが・・・。

*1:とは言っても、最近はベートーヴェンやブルックナーやモーツァルトなど、かなり王道なプログラムの演奏会に足を運んでます

*2:先日村田陽一さんからコメントを頂きました。ご自身のブログを始められたとのこと。こちらからどうぞ。