相棒

otoshimono2008-06-03

「お世話になってます〜。突然なんですがぁ、今日そちらにお伺いしてもよろしいですかぁ? あ、大丈夫。すみませんねぇ、じゃぁ13時にお伺いしますんでぇ。へへ、宜しくお願いしまぁす。」
ちょっと馴れ馴れしいビジネス口調で携帯に電話してきたこの男、アナドってはいけない。ボクが仕事でよく使う某製紙メーカーの開発課長なのだが、実は大学時代の部活の相棒というか悪友だ。ビジネス口調なのは、隣に部下がいるからであろう。
どのくらいの悪友っぷりかというと、自分の下宿が学校から遠いっからて大学近所にあったボクの下宿に一時期住んでたくらいのヤツだ。ボクより先にウチの冷蔵庫開けて「何にもねぇな」とか宣う大きなお世話なヤツだ。「ヤベェ、レポート出来てねぇ」とかいって朝になってもウチのコタツに刺さってるヤツだ。突然話を途中から始めるので付いていくのが大変な困ったヤツだ。
けど、とても突拍子もない魅力的な発想をするトンでもなく面白い男だ。ある意味天才。
彼が手掛けたある紙は、今やポスター用紙のスタンダードとして広く世の中に浸透している。なんちゅうかね、おバカなんだけどホームラン打つんだコイツ。
そんな彼が部下の子を連れて、アイデア探しのためデザイン事務所を訪問することは、よくあるらしい。ボクも彼の勤め先の工場やラボには何度か見学に行ったこともあり、今日は逆パターンってわけ。
相変わらず面白いことを考えるヤツで興味深いサンプルなども持ってきてくれた*1
吹奏楽部の学生指揮者と副部長が、グラフィック・デザイナーと紙の開発者になった。立場も職種も変わっても、この腐れ縁だけは続けていきたい。まだまだ一緒に面白いモノが作れそうだ。

*1:写真は「リバーシブル」という紙。小さくて分かりにくいですが、表と裏の色が最初っから違うんです。ディック・ブルーナの絵本のような色使いの「プレーン」と和のテイストの「もみがみ」の2種類があります。色はそれぞれ5種類。