聞こえない危険

ボクが仕事をしている事務所は東京は千代田区・麹町にある。ニュースをご覧になった方はご存知だと思うが、今日近所の工事現場でクレーンが横転して道路を封鎖してしまい、街が大混乱になった。怪我人も出た。
新聞やニュースサイトを読むと「ドドドッ、ドスーンッて物凄い音がして倒れた」と書かれているが、事務所のスタッフのみんなはその瞬間、ほとんど異変に気付かなかった。事故現場は窓からよく見えるくらい近くなのに、である。
逆に救急車や消防車のサイレン、報道のヘリコプターの飛行音がけたたましく鳴って初めて気付いたのだ。
あんなに大事故なのに。
これには3つ原因が考えられる。一つは都会で生活する我々が身の危険に対してかなり鈍感になっていること。一つは最近のビルの防音・耐震性能が大変高いこと。一つは都心の低周波騒音*1に人々が慣れてしまっていること。
これはかなりヤバイ。大地震や何処だかのミサイルなどがやってきても、都心にいるボクらは気付く術すら知らないということである。
動物的な勘より錯綜するメディアの情報を頼る傾向、室内がハイテク過ぎてシャットアウトされる五感の情報、なまじ聞こえづらいばかりに蔑ろにされがちな低周波騒音被害。都会であるがゆえの聞こえざる(聞かざる)恐怖を感じる経験であった。
尚、事故直接に我々の身を案じて多くの方からメールやお電話をいただきました。この場を借りて今一度お礼させていただきます。

*1:ビル空調音、首都高の高架や地下鉄のトンネルの振動、他の工事現場の振動など。