アクセルとブレーキ

先日、大学時代の友人が医院を開業するのでデザインでお手伝いをする話を書きましたが*1、ただいまそのロゴタイプやロゴマークを制作中です。
久しぶりの友人とのやり取りは楽しく、お互い学生だった頃の事を色々と思い出します。
当時、ボクたちは吹奏楽部に所属しており、彼はトランペットのパートリーダーで金管楽器セクションのリーダー、ボクは学生指揮者だったので、年がら年中顔を突き合わせてはアレコレやっていました。
で、ザックリ何でも大づかみで事を進めちゃうボクに対して、彼は超がつく程の慎重派。迷いに迷い、何度も確認し、ヨシOK!ってとこでまた迷う。もうね、ボク彼がウンウン悩んでる顔しか思い出せないくらい。ボクがアクセルで彼がブレーキ。
スコアリーディング一つとっても、メリハリや流れと雰囲気重視で曲作りをするボクに対して、彼は音の切り方の処理一つ一つやリズムの縦の線の組み合わせに至るまで微細を気が遠くなる程丁寧に拘る。
そうやって一曲一曲を協力しあいながら仕上げていきました。おかげさまで、その年の暮れの定期演奏会で演奏させていただいたヴァンデルローストの「スパルタカス」やベネットの「シンフォニック・ソングス」は、演奏者が優秀であったことありますが、ヘタレ指揮者のボクにはもったいないくらいの素晴らしい演奏に仕上がり、大変感激したことを思い出します*2。そこには辛抱強く演奏の微細な調整に拘った彼の力があったからこそです。
さてそんな訳で、「うーん、どれもいいよ! ありがとう」とプレゼン案に満足してもらってから、今回も彼、迷いに迷う。色々バリエーションを試してみて、先週末やっとこさ形になってきました。これから色彩計画やバランスのブラッシュアップに入ります。今回もアクセルとブレーキでキチキチと仕上げて行きます。
ちなみ彼、歯医者さんです。仕事は丁寧であることはボクが保証します。

*1:2010年2月11日「約束」

*2:当時常任指揮者だった近藤久敦師匠にも「お前にしてはよくやった。」と珍しく音楽のことで褒められた。