中高学生の頃、牧師の娘の友だちがいて、ボクたち仲間*1はそこの教会を休日の溜まり場にしていた。
で、ある日、その子のお母さま*2に「otoshimonoくんは最近、何を聴いているの?」と訊かれたので、ここぞとばかり得意げになって「ホルストとかストラヴィンスキーとかヒンデミット*3」と答えたら、「フフフ、若いな。本当のオトナはモーツァルトやベートーヴェンやブラームスを聴くものなのだよっ」と何故か小劇場的男口調で返された*4。
その時は「?」だったんだけど、今ならわかるなぁ。
いやいや、ストラヴィンスキーやヒンデミットが幼い音楽だということではないです。モーツァルトやベートーヴェンやブラームスの音楽は発表されてからそれなりの年月が経っていいます。よって様々な演奏家によって様々なアプローチで演奏され続けているので、表現の幅が広がって豊穣になり、いろんな聴き方や楽しみ方が出来るんですよね。
作品って、演じ手と聴き手によって熟成・洗練・分解・再構成されていくものですから、長年そういった工程を経て残ってきたClassic(第一級)な音楽たちは常に新鮮で面白いのですよ。
と、今夜のNHK-FMでかかってたN響第1648回定期ライヴのブラ2*5(指揮は尾高忠明さん)を聴きながらそんな事を思い出した訳で。