資料として雅楽を聴いています。
ボクがはじめてデザインを手がけたCDというのは浄土宗から頼まれた式典用の雅楽のCDでした。1996年とありますので、もう16年も前です(上の写真のモノ。現在は購入で出来ません)。
管楽器を主体としたこの世界最古のオーケストラの形態が、諸説あるにせよ現代でも聴く事が出来るのは素晴らしい事ですし、その音楽は世界中の最先端の表現者たちが追いかけているもののヒントが多分に散りばめられています。
それにしても笙という楽器の醸し出す和音の清々しさといったらありません。
平均律の13音に転写すると全くもって奇々怪々な不協和音になりますが、笙独特のチューニングにより、澄んだ奥行きのある響きになります。
まったく粗野で乱暴だと思われていた民俗楽器の奏法が、モダン楽器の演奏体系から失われてしまっている高度な技法であったというレポートは世界的なフルート奏者、ウィル・オッフェルマンズのインタビュー*1でも指摘されています。
吹奏楽の作品でもそういう響きを取り入れた取り組みをされている作曲家さんは沢山いらっしゃいますので、まずは本物の雅楽を聴いてから、そちらも聴かれると良いと思います。
- アーティスト: 雅楽,東京楽所
- 出版社/メーカー: 日本コロムビア
- 発売日: 1990/04/21
- メディア: CD
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- アーティスト: 東京佼成ウィンドオーケストラ,グランサム,ティケリ,リスト,マッキー,ドアティ,渡邊一正,田村文生
- 出版社/メーカー: 佼成出版
- 発売日: 2010/03/20
- メディア: CD
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*1:パイパーズ2011年2月号