ネットショップ隔世

インターネットが社会に普及し始めた1997年、これからは大企業だけでなく個人事業主、またはサラリーマンや主婦の副業としてもインターネットを活用したビジネスが広がることを見据えて一冊の雑誌が創刊されました。「SOHOコンピューティング」と名付けられたこの雑誌は、ショッピングカートはモチロンの事、クレジット決済、ネットバンキングが整備される前からその可能性を示唆し、黎明期のベンチャー企業(手弁当の頃の楽天)にも取材を重ねていました。当時はネットショップを始めるにもビジネスモデルがなく、商材の選び方から管理、ショップのWebページ制作からSEOまで何から何まで起業する人がこなさなければならず、非常に大変な苦労と工夫をされている様子をこの雑誌のアートディレクターとして感じながら制作を進めていました。そして本紙はネットショップが一般化するメドがたった2007年まで誌名を変えながら10年間発行されていました。
さて時代は進みまして、たいがいのモノはインターネットで買う方が便利な世の中になりました。買うのが便利ということは売るのも便利ということです。
という訳で久しぶりに(SOHOコンピューティングの版元は今はないので他社さんですが)秀和システムさんからいただいた装丁の仕事でネットショップに関する書籍の装丁をさせていただきました。装丁にベストマッティングしたカバーイラストを描いていただいたのは石川日向さんです。

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出来上がった紙面をめくるに、黎明期の皆さんが試行錯誤されていたノウハウがひとつのビジネスモデルとしてまとまり、それをバックアップする環境(今や楽天はそのジャンルにおいて絶大な大企業に成長しました)も整っていることに隔世の感を得ました。
とはいえ、起業というのは確かな理念と目標と経営感覚を持ち得ていないと、どんなに副業で「かんたん」「ローコスト」「失敗しない」あっても、成功するとは限りません。つまりリスクは存在します*1から、その点だけはくれぐれもご注意。

*1:失敗とはいえなくても損をすることはあるということです