三つ子の魂、不惑まで。

大の苦手なモノがある。
というか、あったのを今日まで忘れていた。
それはクルマの芳香剤である。かすかな臭いを嗅いだだけで喉の奥がムカムカし視界が狭くなる。車酔いに酷似した気分がすぐれない状態になる。先日emixがクルマの芳香剤をそれまでの無臭タイプから変えたのだが、どんなに耐えようと思ってもダメだった。結局外してもらった。
子供の頃はクルマ酔い(乗り物酔い)が酷く両親や学校の先生に(遠足のときなど)迷惑をかけた。父親はどちらかというと運転がとても上手く、マニュアルミッション時代でも実にストレスのないスムーズな走りをしたのだが、ボクの三半規管が未発達だったのか一向に改善しなかった。だからクルマに乗る時はエチケット袋を常備した上で酔い止めの薬を飲み、手首の「乗り物酔いに効くツボ」をずっと押さえて車中で過ごし、とにかく寝ることに努めていた。ただ、その頃父はクルマの芳香剤をよく使っており、その臭いが車酔いの体験と重なりトラウマになっていったのだろう。
今はクルマ酔いなんかしないのに、その臭いを嗅ぐだけで条件反射で気分が悪くなる。しかも車内でなくてもだ。家にいても隣の部屋から臭ってくるだけで同じ状態になる。とうとうクルマから取り外した芳香剤自体を袋詰めにしてゴミ箱に放り込んでもらった。
なんとも情けない話だし芳香剤メーカーに罪はないのだが、こればっかりは仕方がない。不惑ではあるが不酔とはならない。