高校生からわかる政治のしくみと議員のしごと

高校生からわかる 政治のしくみと議員のしごと

高校生からわかる 政治のしくみと議員のしごと

  • 作者: 山田健太,三木由希子,大林啓吾,池田雅子,河崎健一郎,野口武悟,水上貴央
  • 出版社/メーカー: トランスビュー
  • 発売日: 2013/06/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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トランスビューさんからのご依頼で「高校生からわかる政治のしくみと議員のしごと」の装丁をさせて頂きました。ボクは高校で倫理と政治経済を履修したのですが、この本を改めて読むと「あぁ、そうだった、そうだった」と初歩的なのに忘れていた事を思い出し、なかなか為になります。
震災や政権交替や経済の乱高下や領土問題や軍事問題の軋轢が続く今の世の中は、なんだか1920年代からの日本を思い出させ、身がすくむ思いです。
実際、東日本大震災直後に街を歩くと「国民一致団結して乗り切ろう」「負けないぞ・頑張れ日本」「今こそ質素倹約・買いだめするな」みたいなフレーズを書いた自作のポスターやステッカーを貼っている家々やクルマを沢山見かけました。それを見てボクは太平洋戦争中の「欲しがりません勝つまでは」「贅沢は敵だ」「尽忠報国」というスローガンは必ずしも政府から押し付けられたものでなく、多くは世相から湧き出てきたモノなのだな、と実感してちょっとコワくなりました。
で、2年半経った現在はというと、選挙により政権が交替して経済と国力(国益)優先の政策が取られ、せっかく積み上げてきた個々の人権や表現の自由や国民の安全に対する認識も後回しにされそうな状況です。
で、何が言いたいかというと、今の政治が云々とかそういう事でなくて、今の日本という国は誰が動かしているのか、という事です。これは現行の日本国憲法第一条に「主権の存する日本国民」と記されています。この本にも記されていますが、国民主権とは「国政の在り方を最終的に決定する権威が国民にあること」、つまり我々一人一人が国の舵取りをする権威を持っている、という事です。だからこそ、我々は一人一人考えなければならないし動かねばならない。でもこれは、自分の判断をどこで示すのかという事を学ばないと全く無意味な思考と行動になりかねません。
無責任に世相に乗って、失敗した後で他人や国に責任を押し付けても、今度こそは逃れられませんよ。だって第二次世界大戦までと大きく違うところはそこですもん。今は主権は天皇ではなく、国民にあるのですから。
そういう意味でも、国を動かす仕組みくらいは知っておいた方が良いと思いますよ。
そんで選挙権をお持ちの皆さんは、ちゃんと参院選の投票に行った方が良いと思いますよ。
今の政権を押したのも、前の政権を押したのも、我々の主権による判断ですからね。