場末のお得感

日も暮れて、平均年齢60代以上のオジサマたちのトロンボーンアンサンブルの新年会に誘われた。会場はウチの近所の場末のパブ。仕事でちょっと遅れて行ったら、我々の集まり以外にもお客がいた。そのパブはステージがあって、所謂カラオケ・パブなのだ。ステージの後ろには「★☆★☆新曲《〜〜〜〜》」(★☆★☆は歌手のお名前)とポスターが貼ってあったりカウンターのところにCDが積んであって、その上に「★☆★☆カラオケ教室」というPOPが貼ってあったりする。
ふーん、と思いながら隣のテーブルの向かいで談笑している男の人を何げに見ると、どこかで見た顔だ。あれ、どこで見たっけかなぁ、しかもつい最近見たよなぁ、テレビだっけかなぁ・・・。
ステージではオッチャンやオバチャンたちが思い思いにカラオケで演歌や歌謡曲を歌っている。そこそこ上手い。・・・で、一段落して次の曲のオーダーが入る。タイトル《〜〜〜〜》。向かいの男の人がオモムロに立ち上がる。
アッ!!
後ろのステージのポスターの人、ご本人ではないか!!!
なるほど、今日はカラオケ教室の生徒さんたちとの新年会だったのか。
艶のある歌声は、やはり生徒さんたちとは一線を画しておりフレージングも伸びやかだ。普段演歌歌手の演奏を生で聴く機会なんてないのでかなり得した気分になった。
とはいえ、カラオケ教室の盛り上がりとは裏腹に、こちらの新年会そのものはスピーカーからの音量に負けて盛り上がりもイマイチ。這々の体で駅前の居酒屋に移動したのであった。