佐伯茂樹さん講演会

先日は、古楽器演奏家・音楽評論家の佐伯茂樹さんによる講演会《「実演で知る楽器の歴史」第2回〜ベートーヴェンのトロンボーン用法を探る》の撮影お手伝いなどをさせていただきました。
内容についてはコンテンツの要であるためここでは差し控えますが、ヒストリカル楽器(やオリジナル楽器)を使用して演奏実例を示しながらの講演は大変魅力的で、プロフェッショナルの方々には勿論のこと、私のようなアマチュアの鑑賞者やプレーヤーにも良いサゼスチョンを与えていただいたのではないかと思います。
 
佐伯さんの素晴らしいところは、ちゃんといくつもの版のスコアをご自分で読み込み(場合によっては自筆譜にまであたり)、当時の社会情勢や歴史観、音楽業界での悲喜交々の隆盛や、産業テクノロジーの進捗などと照合し、当時の楽器そのものに演奏することも含めて向かいあった上で、研究の成果を導き出しているところです。
そこから立ち現れてくるものは、日本での判で押したような通説や、ネットに溢れる怪しい情報のツギハギとは全く違う、古楽の話ながら、次の時代の音楽への新鮮さに満ちています。
それは、佐伯さんの研究によって、これらの作品が発せられた当時の新鮮さをもう一度我々が味わうことが出来るからなんだと思います。
佐伯さんのご活動につきましては、 氏のウェブサイトをごらんください。