モテる悩み

ボクの友人Tさんはとても可憐な人である。その上真摯で人懐っこい。当然モテる。
しかし、モテない人の悩みやコンプレックスって解ってもらい易いが、モテる人の悩みやコンプレックスって解ってもらい難いらしい。
モテない人って同性でも異性でもセクシャルな場面でトラブルになる事は確かに少ない(例えばボクがそうだ)。ところがモテる人というのは、異性(または性的対象になりうる性)はともかく同性(または性的対象にならない性)から受けるトラブルも多いらしく、これはこれで大変辛いのだそうだ。
つまり当人がその気がなくてもセックスアピールをしていると思われてしまうことから受ける、勘違いや妬み嫉み嫌味の類である。

  • 実生活に反して、セクシャルな友好関係を多方面で楽しんでいると勘違いされてしまう。
  • 相手の話を聞いてあげただけでセクシャルな意味で好意を持っていると勘違いされてしまう。
  • 何か問題解決を迫られたときに、同性に実務的解決よりセックスアピールを提案されてしまう。
  • パートナー(や実際の婚姻関係にある相手)からも普段の行動に対して過剰な心配や嫉妬をされてしまう。

「無意識にそういう色香を醸し出しているお前が問題だ!」「いいじゃない! モテない私より1000倍マシだしっ!」って憤怒される方も多いだろうが、その言葉自体が相当な苦痛なわけで。
持って生まれたフィジカルな因子は誰とも交換出来ない。それをプラスに感じるかマイナスに感じるかは本人の問題である。
実際、モテる人の方がモテないより点数を甘く見られる場面は多いと思うし、モテない側からすると、それによって悔しい思いをした方も多いだろうが、本人にはそれが苦痛なのだ。つまり、セクシャルな関係や話題に持って行きたくないのに、すぐそっちの方に相手の考えが向かってしまい、自分自信の仕事上の実力(実績)や人間性がいつまでも無視されていると感じてしまう。そういう鬱屈に生来ずっと付き纏われるわけだ。
自分はモテた経験が一度もないし、モテるヤツに嫉妬もするが、確かにイチイチこういった類のトラブルに巻き込まれてはストレスを感じるばかりだ。隣の芝生は青く見えるものだが、瑞々しい程に青く眩いが故に闇暗い悩みもあるのだと学んだ。