泉岳寺

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普段あまり外出しないので、同じ日の写真ばかりで恐縮だが、先日、高輪周辺に用事のあった日に時間が少しだけあったので泉岳寺に行ってみた。忠臣蔵には、それほど思い入れもないのだが家訓である「せっかくだから」に則った訳だ。

寺内には外国人観光客もいて、ガイドのおじいさんが、パワハラを受けた上にハラキリをせざるを得なかった中間管理職の上司の仇を討つためにパワハラボスの屋敷に殴り込みに行った47人のサムライの熱く哀しい顛末について、熱心に語っていた。

僕はこう言う勧善懲悪とか人情話はあまり好きではないのだが(しかももっと実情は複雑で地味だったのではないかと思う)、鬱屈した世相にあって、それにマッチングしたドキュメントストーリーの誕生を庶民が熱狂的に迎え入れたのは、今の世を見ても似ているなと思うところがあり、実際、その所縁の地を見る事は悪くないと思った。

その後、その観光客も四十七士の墓を見て何やら感慨に耽っていたので、時代や国が違えども、パワハラの恐ろしさが身に沁みたのかもしれない。
普通の寺の認識で寄ったのだが、山門の傍に3軒ほど古い土産物屋があったりして、なんと言うか、人間というのは逞しいなぁと思った。