それは《勝ち組》か

どこの業界にも「こうなれば《勝ち組》」(ヒエラルキーの頂点)みたいな価値観があると思うが、とても疑問に思う事の方が多い。

例えば知人のブックデザイナーの人たちと話をしていると、「一流美大(専門学校)を卒業し」「受賞歴があり」「文学作品の装丁を依頼される」デザイナーやイラストレーターが一番偉い、みたいな空気になる事が割とあり、とても窮屈に思う。

もっと酷いのは「国内一流音大を卒業し留学経験があり」「国内外のコンテストで入賞」し「在京・欧米のプロオーケストラに在籍すること」こそが何よりも演奏家の理想、みたいな空気感が常に下地にあるクラシック系器楽奏者界隈かもしれない。

ちょっと視点を広げれば、全然そんなの《勝ち組》ではないどころか、こんなに目まぐるしく社会や文化のありようが変化する中で、そこに固執することの方が危なっかしいのになぁ・・・と(隠れて)溜息をつきながら話を聞いている。