モツレクのボントロ


SFC今年最後の練習日だったのですが*1、その前にバッハ・コレギウム・ジャパンの「モツレク*2」聴いて参りました(at さいたま芸術劇場音楽ホール)。ピリオド楽器*3を使った演奏で、譜面はモーツァルトの死後この曲を完成させた弟子のジェスマイヤー版です。つまり初演に近い形での演奏でした。指揮の鈴木雅明さんの音楽性の高さ、ソリストや太の演奏家の技量にも舌を巻きましたが、管楽器バカのボクには、曲の調性によって楽器を換えるナチュラルトランペット、クラリネットへ進化していく前のバセットホルンの艶やかな音、バソンのようなファゴットなど見どころ満載でしたが、とりわけトロンボーンが面白かったです。
この曲って、トロンボーンの役目はソロのある「第4曲 奇しきラッパの響き」以外は柔らかくコラールを吹く程度なのかと思っていたのですが全然違いました。曲の頭から決然とハーモニーを力強く演奏しますし、合唱や弦楽のサポートとして早いパッセージも多くこなしています。トランペットのようにファンファーレ的な動きはしないのですが、とても忙しくて重要なパートだったのです。編成はアルト(たぶんEs)、テナー(B)、バス(F)の3本で、第4曲の有名なソロはセカンドのテナー管が担当しています。補正管などの巻きがないのでみんなテナー管のような形なのですから大きさが全然違います。バス管はあまりにも大きいのでスライドに取っ手がついています。
自分の吹いている楽器の昔の雄姿を見た思いで胸が熱くなりましたよ。

*1:詳しくはid:kusami:20061216

*2:モーツァルト:レクイエムニ短調 K.626。詳しくはウィキペディアで調べてね。

*3:古楽器、もともと古いモノと復元したモノがあります