勉強

言っていいこと
言ってはいならないこと
言わなければいいこと
言わなければならないこと
 
今日は一日中、色んな立場、職業の人の話を聞いた。大企業の企画部、文化財団のマネジャー、人気イラストレーター、同業のデザイナー、出版社の編集、カメラマン、広告代理店の営業、オーケストラのマネジャー、コンサート・マネジメント会社の営業、それからミュージシャン。所変われば品変わる。立ち位置によって表も裏になる。
「常識」は無数にある。立場の数だけ道理がある。皆、とりあえず「今住んでいる業界」の交通法規に則って行動する。
「業界ムラ」の中だけで活動するにはよい。でも社会は多数の「ムラ」の商品やサービスが流通することで成り立っている。
だから「ムラ」の境界では絶えず事故が起こる。お互い交通法規が違う。隣接している場合、用語が同じでも用途が違う事もある。つまり言葉が似ているだけに誤解が生じやすい。
それで最初に書いた言葉に立ち戻る。
この4つの中身は、自分が置かれる局面で絶えず変化する。境界では「ムラの常識」が通じるとは限らない。
かといって「一般常識」「モラル」と呼ばれるものは、往々にして極めて個人的な規範である*1ことが多い。だからムラの中は勿論、ムラの境界で通じるとは限らない。
では、その落としどころを巡って上手く立ち回ることがエラいのか、とか、オドオドと何もしないのが悪いのか、とかそういう話になると、何だか違うような気もしてくる。
ただ、皆さんの話を聞いていると見えてくることはシンプルだ。
「相手をちゃんと見る事、話をよく聞く事」
「自分のサイズを大きくも小さくも見せようとしないこと」
「今みんなでやっていることに対して一所懸命であること」
これさえ心がけていれば、4つの中身は自ずと分かってくる。
何かの威を借りずに、朴訥でも自分の言葉で真面目に語る。
 
そういう勉強になる一日でした。

*1:「私が許しても社会が許しませんよっ」て言う人いるでしょ。アレです。逆だろアンタ、と。社会をダシにしたエゴイズムの押しつけですな。