負うた子に教えられたわい。

神奈川の中学一年生十数名(と引率の教諭)が職場訪問学習に見えられたので、今日は風邪でダウンのボスに代わって臨時講師。簡単なレジュメを作り、休憩を一回挟んでの2時間コース。
前半はデザインという概念からデザイナーと呼ばれる職業の一般的役割へ進み、学級文集を例に書籍全体の制作の流れとブックデザイナーの役割を大掴みしてもらってから質疑応答。のち休憩。後半は事務所に展示してある様々な書籍の中から自分が気になる本を数冊ずつ選んでもらいながら実際の制作現場を見学し、最後にそれらを全て持ち寄って、ボクの解説付きでデザイン上の特徴を見てもらってから質疑応答で締めくくった。
それにしても意外だったのは、アニメの雑誌ばかり目が行くかと思いきや、様々なジャンルに興味を持ち、目を輝かせながら本を選んでいたことだ。中には立花隆さんの書籍を熱心に読み耽る子もいた。引率の先生に聞いたところ、生徒は本が好きで、それが学校の自慢だとも言っていた。
日本全体でも先日の報道にあるように、2007年度の小学生一人当たりが図書館で借りた年間の本の冊数が過去最高の35.9冊を更新したというのだから、このデータにも信憑性が増す(つまり今回来た中学一年生は調査当時5年生)。本を読む子が増えている。この点において学校教育の成果はあったと思う。
実際、持ち寄った本を時間も忘れて読み耽ったり、隣同士で楽しそうに見せ合ったりしている子供たちを見ると、ブックデザイナー冥利に尽きるし、彼らのためにも質の高い本作りをするのがボクたちの使命だな、と襟を正す思いだった。