もう今年を振り返る(その1)

「今年は何をしていましたか?」と問われれば『辞書と教科書を作っていました』と明確に答えられるくらい辞書と教科書を作っています。今年の前半は中学校用の教科書の文科省検定提出が春から初夏にかけて相次ぎまして、そのデザイン制作に追われている感じでしたが、年末までは来春発売の学習辞書のデザイン制作が佳境を迎えております。
ボクは今回ある版元さんの学習用国語辞典と漢字辞典を本文フォーマットから装丁までトータルに担当させていただいてます。常用漢字と教育指導要領の改訂が重なる2011年は、出版各社すべてが改訂版を出版予定ですので、凄まじい販売合戦が繰り広げられるでしょう。だから各社の営業担当の方々としては一刻も早く自社の本の宣伝をして他社を出し抜きたいところですが、他社よりも少しでも良いものを作りたいと考える制作サイドではギリギリまで担当編集や担当デザイナーが試行錯誤を繰り返しているところです。
検定教科書にせよ、辞書にせよ、数十万部単位の非常に規模の大きい出版物です。苦しくもありますが楽しくもあり、また社会的な責任感もあり身の引き締まる思いです。こういった出版物に関わる機会を与えていただいている各版元様や事務所のボスには本当に感謝しております。