ボクの知らない日本

otoshimono2008-01-10

今年はオリンピック・イヤーですね。年賀状のお礼にとnittaさんから大変貴重な物を頂きました。
「'64オリンピック東京大会速報」と銘打たれたそれは絵葉書です。5巻まであります。レプリカじゃありませんよ。44年前のモノホンですわ。しかもムチャクチャ綺麗な状態。オリンピックの会場や式典、選手たちの活躍などが生き生きと活写されています。武道館なんて出来立てて屋根が赤銅色です。「東洋の魔女」の勝利の瞬間も収められています。
ボクが生まれる7年前のそれは、見た事もない東京です。
特にこの一枚。どこだと思います? 選手村の風景なんですが、何と今の代々木公園なんだそうです。ニッポンに見えないねぇ。陽気な東南アジアの風景みたい。代々木体育館も何だかこうして見るとアジアンテイストがプンプンする。それに何だか明るいし。栄光に満ちたニッポンの風景です。*1
さて、エラい人たちは「2016年に再び東京でオリンピックを」と息巻いているようです。選手村の候補地までおさえてあるんだね。エラい人たちは若かったり子供だったりした頃、この眩いばかりの東京オリンピックを見たんだね。そして今のニッポンの色々を見て、「オリンピックがあれば、もう一度あの輝きを取り戻せるぞ!」って思うんだろうね。
ボクはオリンピックも大阪万博も終わってからこの世にオギャーと出たんだけど、屈託のない明るい雰囲気は既に世の中にはなかった。おまけに空気は澱んでたし、海は赤潮だらけだった。でもこれって第二次大戦後、明るい未来をめざして頑張ってきた、オリンピックや万博をやったニッポンの負の部分だったんだよね。あれから40年、ボクたちはお祭りの後片付けをしてきたんだと思う。そりゃね、片付けですから元気なく見えるよねぇ。でも片付けないと次に進めないじゃない。もう一度、手のひらを太陽に透かしてみたいじゃない。
ニッポンもあれから44歳年取ってんだからね、いい加減大人な訳ですよ。若い頃みたいに陽気に騒いだり暴飲暴食しちゃ、すぐメタボで死んじゃうよって国自ら言ってるじゃない
後片付けもちゃんと済んでいないウチから散らかす計画立ててたらお母さんに叱られますよ。お母さんって誰?

*1:で、この選手村の建物は今でも一部残っていて見られるようですよ。